山本精一 sim
11月5日 桜台pool
初めて生で聴いた山本精一。
各種の録音媒体では聴いたことがあったけれど、ライブではまったく違った印象を受けました。
即興のギターは、最近では音数を減らして、エフェクターを効かせた、変則的で特徴的なリフやカッティングが主流となっているような気がします。
例えをあげれば、今堀恒雄がティポグラフィカでのギタースタイルを捨て、unbeltipoではリフの嵐を聴かせており、怒涛のリフがスペースを作り出すといった具合です。
ある種の音楽的な空間の構築には、ギターフレーズを弾きまくるよりも、リフで攻めるという行き方があると思うのです。
しかし、山本精一は、ギタリストの王道を行くギタースタイルでした。技巧を背景にした、音の多彩さを聴かせてくれます。
音数の多さは、空間を狭めることは絶対になく、ディレイやリバーブなどのエフェクターを使って、奥行きのある音楽が展開されます。
短い音=空間的、というクリシェを拭い去るには、シンプル過ぎる、ディレイやリバーブなどのエフェクター類。
弾けば弾くほど、遠くへ連れて行かれるような浮揚感。
現代の主流を脇に蹴散らしながら、思うところを進む。
再度、山本精一の演奏を聴きに行きたいと思いました。
sim
今回で3度目のライブ体験でした。
今までで一番、完成度が高かった。
ものすごいグルーブ。
三者の一体感。
リハーサルを重ねたらしいのですが、偶発的とも感じられる展開で、まさに手に汗握る進行でした。
CDJやオルガンなどの機材がなければ、プログレッシブロックだけれど、そもそも、プログレにスクラッチやエディットされたボイスなどは不釣合いです。そこは、音楽的な融合・構築を試みて、見事に成功させています。
10代や20代の若者に、もっともっと効いて欲しい。
きっと、はまります。