本格的なギタートリオの予感が






2010年11月2日 渋谷・Ishee
菊地雅晃(B)
大島輝之(G)
服部・マサツグ・正嗣(ds)



体調がすぐれずに見送ろうかとしていた、この日のライブ。

観客は7人。けれども7人の中に入れたのは本当に幸運でした。

ギター、ベース、ドラムスの基本的なギタートリオのフォーマット。3人は常識的な枠を破り、トリオフォーマットというクリシェを覆しました。



このギタートリオは本当に斬新です。



ジャズから入った私でもそうですが、おそらくロックから入った聴衆でも、新鮮な響きを感じると思う。



そして、何かをやりそうな予感がします。


確かな技術に裏打ちされた、3人の音楽的な方向性が奇跡的に合致して、ひとつの音楽に昇華する瞬間を目撃した夜でした。

前置きが長くなりましたが、この日の夜の出来事を、ひとことで表現すると

「衝撃的」

でした。



最初は、それぞれのソロからスタートし、最後にトリオ編成となりました。

菊地雅晃は10年以上前からライブに足を運んでおり、大島輝之は今回で5回目となり、少しは「知っているつもり」になっていたのですが、「実は知っていることは何もなかった」、ということを思い知らされた。


裏切りと屈辱。

歓喜と驚嘆の夜。


あとネットで調べたら、大島輝之は彼の属するグループであるsimのリハーサル直後で疲労していたことが分かりました。また、菊地雅晃は、「夢中で演奏した」と話していました。

偶然性を必然的な成功に導くことこそ、偉大な音楽家である証拠ではないでしょうか。


定型ビートを刻む間と、アブストラクトで入り組んだ音への進入、あるいは、アブストラクトから定型への戻りが、楽譜やリハを重ねたものであるかのような流れとなりました。


初めての組み合わせで、リハは一切なしということを聞いて、驚きがさらに増しました。

服部正嗣は、最近方々で名前のクレジットを見るため注目していたのですが、今回のライブで重要なカギを握っていました。

彼のドラミングについては、改めて書きたいと思います。

逸材です。