ウンベルティポトリオ 2014年12月26日 高円寺JIROKICHI








2013年12月26日
高円寺ジロキチ
ウンベルティポトリオ(今堀恒雄ナスノミツル佐野康夫



私にとっては2度目のウンベルティポトリオだった。






前半と後半では、今堀恒雄のギターの音がまるで違っていた。

音だけでなく、弾き方も異なっていたように感じた。




私の勉強不足もあり、いつもはギターの音色まで書かないのだが、ここまで異なった音楽になると、少し書いてみたくもなる。

前半のギターは、ノンエフェクトのように聴こえたし、コーラスをかけているような音のようにも感じた。

エフェクターのセッティングを確認したのだが、暗くてよくわからなかったし、
仮に良く見えたとしても、メーカーや記号だけしか記されていないエフェクターについては何のことやらわからないのが本当のところだ。


ネット上でいろいろ調べると、今堀のストラトのピックアップは、特殊なものらしく、通常のピックアップよりも、音が前に出るようになっているという。Youtubeの今堀自身のデモ映像を聴いてみると、この日のライブの前半で演奏した音に近く聴こえる。

ブースターを二つ使っているらしく、一つは、ディストーションへのつなぎとして用いているようだ。

ただ、使うエフェクターもギターそのものも、ライブによって異なる奏者が多くいるので、上の情報が正確かどうかは極めて疑問だが、いずれにせよ書いてみたいという気持ちが勝った。

自己満足あるいは、自己充足――

それがブログを書く動機であり、楽しみでもある。勤め人の仕事の場合は、そうはいかない。



それはともかく、前半はファズ系のエフェクターを使うことはせずに今堀は弾きまくった。



話は飛ぶが、先日ジミーペイジの若いころの映像集を見たのだが、斬新なギターリフのオンパレードで、すでに60年代をもって、「かっこいいギターリフ」は出尽くしているかのような感覚に陥った。本当に斬新だった。




今堀恒雄もリフにこだわっているような印象を持っている。

今堀のリフは現代的でより複雑だと思う。


後半は、かっこいいリフを聴ける場面が多かった。

以前に、共演した鬼怒無月が「変わっっているのを弾くな」とつぶやいたのを間近で聞いたことがある。


前半は、独特のリフは控え気味で、フレットを縦横無尽に弾いた。キャッチーな感じのフレーズも多く聴こえた。

現代的とはせずに、あえてコンテンポラリーという横文字表現をしたくなった。

興味深かったのは、ナスノミツルが、こうした場面でもリズムを弾かずに、浮揚感のある音を出した場面が多々あったことだ。

佐野康夫は、教科書に出てくるような模範的なドラミングに徹している。彼のキャリアの出発がジャズとはまったく想像できないような、ロックドラミングの基本の徹底。前半は、フィルインが多く入り、とてもシャープに決まっていた。


後半は、うって変った雰囲気になった。

気に入ったのは、UBT28とUBT29、そしてその間に演奏された曲だ。

彼らにしか出せない独特の音の空間が構築されていた。前半が、明るくさらっとした雰囲気だったのに対して、この3曲は、ダークで(良い意味で)粘着さがあり、一筋縄ではいかない趣がある。




実をいうと、ウンベルティポトリオを3年前にジロキチに聴きに行こうとしたのだが、開演後だったこともあり、逆L字型の会場の入り口付近に立ち見の客が溢れていたため断念したことがあった。

この日も、会場のキャパシティを倍は超えていた。

大盛況だった。