gallery 360°
ギャラリー360°が、昨年2017年12月末をもって閉店した。
移転先はすでに決まっていると聞く。
最初に訪れたのは1997年ごろだった。まだ、辺りは静かなたたずまいを残していた。
インデペンデントなギャラリーが其処ここにあり、ふと足を止めたものだった。
その中にあって、ギャラリー360°は比類のない輝きを放っていた。
ポストモダンが一巡して、簡素なアートやデザインが脚光を浴びていたこの頃、ミニマルアートのインスタレーションなどの催しが開かれた。
もちろん、それは、ギャラリーの歴史にとっては、記憶の断片に過ぎない。
信奉者のひとりであるものの、足しげく通うことはなかったため、イベントのアーカイブを網羅的にひも解く素養に乏しい。
ただ、木村伊兵衛賞を獲得する以前から、ホンマタカシの作品が飾られていたのは良く覚えている。
オノ・ヨーコの展覧会の数々も。
フルクサスの貴重な展示。
最後の展示となったのは、永瀬沙世のThe Void。
どれも深く残っている。
いただいた移転の案内には、「アートの日常化」と記されていた。
長いこと表現しづらかったギャラリー像が目の前に広がっていくのを感じた。
移転後の活動が楽しみになってきた。