今井和雄 2007年4月29日 


高柳昌行の弟子だった今井和雄の出自はジャズだと思います。

高柳さんから、どのような指導を受けたかは知る由もないのですが、このセッションの数年後に、やはりスーパーデラックスで行われたライブを見に開場1時間前に並んだのですが、ちょうど音合わせが内部で行われていました。

今井和雄が奏でた演奏は、見事なバップだったのです。

私も、このブログではインプロを取り上げていますが、そもそもはジャズが出発点でした。

ロックやインディーズからインプロに興味を持つタイプ、現代音楽からインプロに興味を持つようになったケースなど、インプロファンのルーツは人それぞれです。

さて、今井和雄のライブには何度か足を運んでいますが、出色の出来は、このライブ(インキャパシタンツとのコラボレーション)と、数年前に高円寺のショーボートで行われた吉田達也とのデュオです。両方ともすごい演奏でした。

今井の演奏技術はとても高度ですが、この二つのライブにおいては、技術を超越した内容を聴かせてくれました。原初的で猛々しい、エネルギーを解き放つような、そんな演奏ですが、うまく口で言い表せません。

上の写真は、連続シャッターではなく(私のカメラにはその機能がありません)、1枚ごと撮りました。この日撮った写真は、これですべてです。

私が今井和雄の写真を撮る場合、それはとても珍しいことなのです。通常、今井和雄は演奏時には椅子に腰かけているため、写真を撮るのが容易に思え、シャッターを切るのですが、なかなか満足の行く写真が取れないのです。通常は、一つのライブで10〜15枚撮って、それで良しとするのですが、今井の場合は何度撮ってもうまく行かないのです。

まあ、すべては私のカメラの腕に問題があるのですが...

しかし、私はそんなとき、今井和雄が外界との接触を拒んでいるように思えてならないのです。

きっと、上で撮った時は、彼の魂が解き放たれた瞬間が多くあったのでしょう。

それはとても貴重な体験だったと思います。