山口県の3人のドラマー
4〜5年前から(もっと前かもしれない)一部の若手音楽家の間で「山口組」という名称で呼ばれていた一群があります。
山口県出身の若手音楽家のことを指して冗談交じりに言っていたらしいのですが、3人のドラマーも、この「山口組」の一員です。
知っているひとにとっては「何をいまさら」という話なのですけれど、あらためて再考したいと思います。
でも、「再考」って表現は大げさかもしれない。
ともかく、
先週の土曜日に、一楽誉志幸の演奏を間近で聴いて、すぐに同郷の山本達久と弘中聡のことを思い出しました。
一楽誉志幸は3年ほど前に、下北沢のシェルターという大きな会場で、石橋英子とのDuoを聴いたことがありました。
今回、一楽誉志幸の演奏を聴いてみて、これほど繊細で語彙の豊富なドラミングは、類を見ないのではと驚いたのです。
同時に大きなハコの最後列で聴いていたためか、3年前には彼のドラミングの妙を味わうことができなかったことを自覚した次第です。
ドラミングセット以外のパーカッション類の使い方は、山本達久の奏法を想起させました。けれども、もっと繊細です。シンバルはソフトですが芯がある。このダイナミクスは、近くで見なければ、相当の耳がないと分からないかもしれない、などと自己弁護したくなるような素晴らしい演奏でした。
3人のなかで頻度でいえば、一番聴いているのは、山本達久です。山本達久を最近聴いたのは、昨年の成田宗弘(g)とのDuoでした。この時は、猛々しいほどのドラミングで、それまで聴いたことがないほどの威力を感じました。ロックの中にファンクネスを混入したリズム。彼のなかで、その瞬間に感じていたリズムが、叩いていないときでさえ、体から放出されていた。
一リスナーとしては、山本達久の新たな素顔を垣間見た感じでした。
弘中聡は、3回しか聴いたことがないのですが、とても印象に残っているドラマーです。即興における反射神経はピカイチで、即興演奏でフィルインという言葉は使わないと思いますが、演奏の流れを変えるうえで叩く音が抜群です。鋭角で、ここというときに出す。天性の才能だと思います。
Jポップの分野で活躍しているそうですが、即興での活躍も期待したい逸材です。
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山本達久
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一楽誉志幸
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