2009年12月12日の沼田順と大谷能生①

吉祥寺のカフェズミにおける2009年12月12日のレクチャーです。

大友良英のCDからスタートし、今や唯一無二の存在になった音楽レーベル、「doubtmusic」。その主宰者である沼田順には、「次も何かをやるのではないか」という、特有の気配を感じます。


この年(2009年)の夏に大谷能生が虹釜太郎とともに、高円寺円盤で「ジャズ喫茶」を再現したのが強烈に印象に残りました。

そんなこともあり、カフェズミに出かけました。

沼田順(doubtmusic主宰)
「CDがなぜ売れないのか?」

重要なことが二つある。
ひとつはメディアが変わってきていることだ。いうまでもなく、Youtubeなどの台頭で、フリージャズから現代批評まで、無料で試聴覚できるようになった。

もうひとつは言葉、つまり批評の問題がある。
80年代の半ばから批評と広告宣伝がごちゃまぜになり、溶解してきた。

フリーミュージックは、本来は一回性の音楽を録音・複製して販売している。しかし、ライブには足を運んでもらいたい。矛盾がある。すべてを二元化(発言のまま)するのは間違っているのだろうか?CDが売れないがために皮肉にもそういうことを考えている。

音楽の言葉が出てきたら良い。
(知覚である)「におい」って本当はもっとも言語化できないものだろう。広告宣伝の中でそういう言葉が出てきたら良い。