2010年6月28日 内橋和久 外山明 デュオ 新宿ピットイン
2年前のライブを書くというのはどうかとも思ったのですが、
ずっと考えていたことがあり書くことにしました。
(聴きに行って写真も撮ったのに、ブログに載せなかったライブがかなりあります)
内橋和久を初めて聴いたのは、2005年の夏でした。
それから、折を見てライブに行っているのですが、コアなファンではないので断定はできないのですけれど、内橋和久は年々ギターを弾かなくなっているように思えるのです。
弾かないというと語弊がありますが、ピックや指で弾く回数がめっきり減り、当然のように音の数が減っている。
前回聴いた2007年の外山明とのデュオに比べると、実際まったく弾いていない。
2005年から2007年にかけては頻繁に聴きに行ったものでしたが、その時にはピッキングの数が多いギタリストだったと思っていました。
当時聴いたのは、灰野敬二とのツインギター、吉田達也とのデュオ、マニ・ノイマイヤーとのデュオ、鬼怒無月とのツインギター、渋さ知らズなどです。
2007年からしばらく聴きに行く機会がなかったのですが、2009年ごろから続けて聴くチャンスを得ました。
2009年9月のスーパーデラックスでのライブでは、天井の18のスピーカーを用いて、以前YCAMの展示のために作成した音像コントロールプログラムを使用して行われました。さまざまなパターンで音が発せられ、ダイナミクスのある特徴的なライブでした。
ここで初めて、音の数が減ったのに気付きました。
ですが、そのときはUAや高良久美子などがゲストでフィーチャーされていたことや、音響面での創意工夫からくるものだと思っていました。
ところが、そのあとで聴いた、Altered States、ドラマー5人を従えた新宿ピットインでのライブ、そしてこの外山明とのデュオと、いずれもが音数が少なかったのです。
ギタリストでも、コードカッティングや単調なリフを繰り返したり、エフェクターで単音をループさせたりする演奏をひたすら繰り返すひともいますが、そういう場合は得てして指がそれ以上動かないケースが多いと思います。
内橋和久は、そのサークルには入らずに、弾けるにもかかわらず敢えて弾かずに音の数を減らしている。
この余白、スペースは大きな意味を持っていると思います。
そうこうしているうちに、それから2年が経ってしまいました。
内橋和久の演奏はどのように変化しているのか。
とても興味があります。