Interference
去年2011年の9月17日に渋谷のBar Isheeで行われた
Interferenceのライブ。
メンバーは以下の通り。
津上研太/アルトサックス
かみむら泰一/テナーサックス・コンピューター
横川理彦/バイオリン・コンピューター
菊地雅晃/コントラバス・エレクトロニクス
かみむら泰一と横川理彦は初めて聴いた。
演奏の始まりは、闇の中を手さぐりで歩いていく感じだった。
即興を聴くのは久しぶりだったせいか、音楽に没頭できずにいた。音が拡散していくような感覚から抜け出せないでいた。
なぜだか分からないが、無意識のうちに、いつもより多くの写真を撮った。
それは私にとっては、焦燥感の現れだったのかもしれない。
前半の聴きどころは、かみむら泰一だった。
暖かで滑らかな音質のサックスが会場に良く響いた。とても心地良いテナーのサウンドだった。
後半は、緊迫感のある内容だった。
津上、かみむら二人のサックスバトルが繰り広げられたり、横川のバイオリンの鋭角な音がクローズアップされた。
前半にはおとなしかった津上のアルトが輝きを放った。
リー・コニッツやスティーヴ・レイシーなどの影響が感じられるものの、圧倒的な技術力を備えた演奏は津上ならではのスタイルだった。
菊地雅晃のコントラバスの演奏は、随所にエレクトロニクスを取り入れながら、全体を俯瞰(ふかん)する作業を連想させた。
拡散していた音のかたまりが、終盤に入って収斂していく様は奇跡的だった。
ただ作曲したものと見紛うばかりだった。
いつの間にかシャッターを切るのを忘れていた。
終演後、会場に居た誰もが満足感に浸った。